その日は私は朝からちょっとソワソワしていた。
というのは、彼が家族に会うためにしばらく母国に帰るからだ。
数年ぶりの帰国に彼は嬉しさを感じつつも、私と1ヶ月離れて暮らすため寂しさも感じているらしい。
私は寂しいというよりも、彼が忘れ物しないか、無事に飛行機に乗れるかを心配していた。
スーツケースに衣類やお土産を詰め込み、早めに準備を終えた私たちはランチを食べに外出することにした。
お目当てのイタリアンの店に行ったが行列ができていて、何時に入店できるかわからなかった。
余裕を持って空港に向かいたいのでその店は諦め、近くにあった日本料理の店に入ることにした。
店内は混んでいなかったので、頼んだ料理がすぐに出てきた。
味はまあまあだったが、お手頃価格でボリュームがあり満足感のあるランチ。
料理を食べながら、家族と会うのが楽しみだとか、あの店の料理を食べたいとか、ワクワクしながら話をする彼。
しばらく会えないと思うと、彼と過ごす何気ない日常が幸せなことなんだと感じる。
ランチを終えて車で家へ帰る途中、道が混んでいた。
そろそそ空港へ向かわないと飛行機に乗り遅れてしまう。
乗り遅れてしまえば、高かった飛行機代がパーになってしまう。
彼が運転している時、一時停止をして歩行者が横断歩道を渡るのを待っていた。
ただ歩行者渡り切るのを待っていただけなのに、後ろの車にクラクションを鳴らされた。
彼は急いでいたにも関わらず、歩行者が渡り終わるのを待ったいたので(当たり前のことだが)、腹が立ったのだろう。
彼「このまま運転したら、人をひいてしまうだろ!」
彼は車の窓を開けて腕を出し、歩行者の方を指し、後ろのドライバーにわかるように大袈裟に手を振る。
HSPの私は彼のイライラに気づいてちょっとヒヤっとしたが、彼のイライラは数分で収まり無事に帰宅することができた。