躁鬱の完治は諦めてます。

躁鬱歴13年。幸せを感じるのって難しい。

最近物欲がない 〜鬱状態と自己否定〜

 

最近私は物欲がなくなってきている。

 

年齢のせいもあるかもしれない。

 

今欲しいものはなんだろう・・・?

 

 

 

20代で躁状態の時は借金まではしなかったが、銀行の残高をほぼ気にすることなく買い物をしていた。

 

もの手放せない、収集癖に近いようなものがあった。

 

ショッピングをすることや物をたくさん持っていることに幸せを感じていた。

 

洋服、ブランドバッグ、アクセサリー、靴・・・

 

似たような洋服を持っているのに、少しだけデザインが違う商品、色違いの商品なども購入した。

 

おかげで一人暮らしのクローゼットは常にパンパンだった。

 

当時留年大学生で、アルバイトもしていなかったのにお金をたくさん使った。

 

同じ年頃の友人を買い物や遊びに誘うと、

 

「お金がないから、今は飲み会はやめとく。」

 

「バイト代まだ入ってないから、今度にする。」

 

と言って断る人もいたが、私は、

 

「楽しいことがあるのに、なんで参加しないんだろう。ケチるのは嫌いだ。」

 

と思っていた。

 

今思えば、友人たちの学生の身分としての価値観は間違っていなかったし、お金の管理もしっかりしていた。

 

お金を稼いでもいないのに後先考えずにお金を使う私の感覚がおかしかったのだ。

 

富裕層でもない普通の家庭にも関わらず、ずっと仕送りをしてくれていた親に申し訳ない気持ちだ。

 

しかし躁鬱病が安定せず、大学に通うことができなかった私の唯一生きている楽しみは、たまに行くショッピングや飲み会だった。

 

f:id:betterlifewo:20210716055635p:plain

 

最近はほとんど躁状態になることはなく、鬱状態で家に引きこもっていることが多い。

 

さらにコロナの影響で、外出をする機会がめっきり減ってしまった。

 

自己否定感をよく感じる。

 

「こんな私に価値はない。」

 

「私にはこんなもの買ってもしょうがない。」

 

「私にはお金を使う価値がない。」

 

そう思ってお金を使うことに罪悪感を感じ、病院に通うこと以外にお金を使えなくなってきた。

 

すると、だんだんものがいらなくなってくる。

 

「こんなの持ってても、外出できないし使わない。」

 

しまいには、使わない洋服やバッグなどをメルカリなどインターネットで売ったり、リサイクルに回すようになった。

 

以前は執着心が強く、なんでも物を抱えてクローゼットいっぱいに詰め込んでいたが、今はかなり断捨離が上手になった。

 

欲しいものが全くなくなったわけではない。

 

「いつか海外旅行に行きたい。」

 

「車を親にプレゼントしたい。」

 

などとたまに考えたりするが、どれも現実的なものではない。

 

やっぱり今欲しいものは何かと聞かれれば、健康と答えるだろう。

 

だるい休日 〜薬の飲み合わせが悪い?〜

f:id:betterlifewo:20210714200722p:plain

 

朝は5時半に目が覚めた。

 

早起きすると気持ちがいい。

 

いいスタートが切れるような気がした。

 

キッチンでコーヒーを入れて、パソコンをぽちぽち。

 

リーマス2錠、トリプタノール半錠、ビタミン剤、最近皮膚科からもらった肌荒れ防止の薬を3種類

 

30分ほどしか椅子に座っていないのにも関わらず疲れてしまい、ベッドに横になる。

 

横になりながら楽しめることといったら、携帯で映画を見ることだ。

 

皮膚科の薬の飲み合わせが良くないのか何だかわからないが、眠くなってくる

 

映画を15分ほど見たところで強い眠気がきて寝てしまった。

 

午前中に30分ほどの昼寝を3度もしてしまう。

 

前日はいつものように早寝していて、睡眠時間は8時間は取っている。

 

昼食を食べて、何度も中断された映画の続きを見る。

 

だが、また昼寝を2回もしてしまう。

 

何とか映画は見終わったが、あっという間に夕方になった。

 

気怠くて何にもできなかった休日。

 

もったいないな。

 

だが、何をするにも億劫でベッドから動くことができない。

 

天気のせいかな?とも思ったが、晴れてるし、気圧も低くない。

 

不調の理由もはっきりしないし、疲れが取れた気がしない。

 

なんだかスッキリしない休日となった。

 

『SISU ~フィンランドの幸せメソッド〜』

最近、鬱がひどくて幸せを全く感じていない。

 

何か本から元気をもらいたくて、図書館に行く。

 

幸せ不足の私が惹かれた本。

 

『SISU ~フィンランドの幸せメソッド〜』 カトヤ・パンツァル 著

 

今まで一度も北欧へ行ったことがなく、いつか旅行に行きたいと思っていたフィンランドに関係ある本ということで、興味が出た。

 

表紙は、青空の下で女性とハスキーが二匹がハグをしている。

 

私は犬に弱い。

 

すぐにこの本を借りることに決めた。

 

 

「SISU シス」とはフィンランドの人々に受け継がれる、しなやかな精神性、困難に立ち向かう勇敢さ、忍耐などのことだ。

 

そんな折れない心は、日々の健やかな身体に宿る。

 

サウナ・アイススイミング・森林浴・シンプルな食事法などを取り入れて生活し、「SISU シス」を育むという。

 

著者の実体験を混じえて、その方法を学ぶ内容だ。

 

 

 

 

面白いと思ったことは、フィンランド人はアイススイミングで不調を改善するということだ。

 

平均水温4度の冬の海に30秒から1分間ほど浸かると、セロトニンドーパミンなどの幸せホルモンが多く分泌される。

 

そうすると、ストレス緩和、免疫力の向上、痛みが和らぐといった効果があるというのだ。

 

「鬱改善のために、それはいいことを知った!」と一瞬思ったが、よく考えると私は冷たい水に浸かるのが苦手で、いくらサウナに入ってかなり体が熱くなった後でも、水風呂には一度も入ったことはない。

 

冬の海で泳ぐ外国人の姿をテレビで見たことはあるが、「この人たち大丈夫なの??」と驚いた。

 

どう考えても私にはできそうにない。

 

しかし優しい筆者は、自宅でもできるアイススイミングを教えてくれた。

 

冷水シャワーを30秒から1分間浴びて、そのあと温かいシャワーを浴びても、冷たい海水ほどではないがある程度の効果はあると言う。

 

そんな短い時間でもエネルギーがみなぎってくるらしい。

 

冷水シャワーでいいのならば、ちょっと試してみようかなと思った。

 

 

 

フィンランドでの生活によって「SISU シス」を手に入れた著者。

 

なんと彼女はフィンランドに移住する前、20代でうつ病になり悩んでいた。

 

しかし今は「SISU シス」を得たおかげで改善したという。

 

幸福度が高い国ランキング上位とも言われるフィンランド

 

この本を読んだ後に、フィンランドを旅行している自分を妄想するだけで、少し幸せな気持ちにしてくれた。

 

 

 

 

 

 

『死にカタログ』

最近、死についてよく考える。

 

決して自殺願望があるわけではない。

 

若い時は人が死ぬことは知っていたが、自分とは全く関係のない世界の話だと思っていた。

 

小さな頃は自分以外のほぼみんなが年上で、自分も早く大人になりたいと思っていた。

 

時が経ち、テレビで活躍しているスポーツ選手はいつの間にか私より年下になってしまった。

 

30代になって、白髪は生えるし、小じわもできるし、「自分も若くはないな。」と感じる。

 

「こんなふうにどんどん老いていくんだな。」

 

老いる自分を想像しだすと、死がそう遠くはないことに気づく。

 

平均寿命まで生きると仮定すると、だいたい半分まできている。

 

この世に生まれてきたら、いつかは死んでこの世から去る時がくる。

 

漠然と怖いと思った。

 

 

 

そう考えていた時に、図書館で目に入った本。

 

死にカタログ寄藤文平

 

 

「なんだか恐ろしいタイトルだな。この本、自殺を誘発するようなヘビーな内容の本じゃないか!?」

 

と思いながら本を手に取り、表紙を見る。

 

「ん??意外とポップな絵だな。」

 

タイトルから想像できない、可愛らしいイラストが興味をかき立てた。

 

本を読んでみると、決して重苦しい内容ではなかった。

 

人はいつか必ず死を迎える。

 

各国の平均寿命、偉人達の死因、映画の主人公の最期、死の場所、死後の世界・・・

 

などをわかりやすく可愛いイラストと一緒に書かれている。

 

イラストが大半を占めていて、黄色と緑のカラーページなので、さらっと読み進められる。

 

死をただ怖がったり考えるのを避けるのではなく、死と向かい合い、その日までどのように生きるかを考えさせられる本だと思う。

 

仕事のミスがマイナス感情を引き寄せる

私は、仕事中に見落としやミスが多い

 

多くのことに注意を払えない

 

緊張しやすく、よくパニックになる

 

ひどい時には手が震えるトリプタノールの副作用のせいもあるが・・・)。

 

f:id:betterlifewo:20210705204726p:plain

今日も職場で、送られてきたメールの内容がわからなかったので、わざわざ別の部署に行き、同僚Aの時間を割いて質問した。

 

自分のデスクに戻ってそのメールを見直したら、添付ファイルがあったことに気づき、全く人に質問した意味がなかった。

 

「やってしまった・・・。」

 

人に必要のない迷惑をかけてしまった、と血の気が引く。

 

 

 

また、同僚Bに違う質問をした時は、

 

同僚B「それは私はわからないから、Cさんに聞いて。」

 

と、いつもニコニコして優しい彼女が、今日は少し嫌そうに答えた。

 

その表情を見て、

 

「あ、もしかすると前回も同じ質問をしたかもしれない・・・!?」

 

と、この時やっと思い出す。

 

でも同じことを聞いたかもしれないが、その答えを思い出せない。

 

 

 

私の記憶力はとても悪い。

 

すぐに忘れるので同じことを聞くこともあれば、覚えているが不安だから確認のために何度も聞くこともある。

 

同僚からしたら、なんて世話のかかる、使えない人材なんだろうと思うだろう。

 

 

退勤後に、今まで見たことない同僚Bの迷惑そうな表情を永遠と思い出して、自分の行動や存在が恥ずかしいと思う。

 

そこから鬱感情が広がって、

 

「毎日のように鬱だし、幸せを感じないな。」

 

「こんな価値のない自分には、おしゃれする価値もないし、お金を使う価値もない。」

 

「こんな自分は何をしても無駄。」

 

と次々とマイナス感情が打ち寄せて止まらなくなる

 

 

 

「こんな自分なんて・・・」という考え方を辞めたいと思うのだが、なかなか難しい。

 

自分で自分をうまくコントロールできるようになりたい。

 

生きてるんだけど、心が死んでいる

朝起きて、仕事に行って、ご飯食べて、寝て・・・

 

休日も外に出かける気がしないし、コロナで友人に会えないし、大好きな旅行もできない。

 

るんるん、わくわくすることがない。

 

もちろん笑うこともない。

 

思い返せば、お腹が痛いほど大笑いしたのはもう一年半以上前だ。

 

生きてるんだけど、心が死んでいる感じ。

 

f:id:betterlifewo:20210702201346p:plain

入社して3ヶ月ほど経つが、職場でもまだ馴染めない。

 

同僚と仕事の話をするたびに後悔する。

 

「なんてトンチンカンな質問をしたんだろう。」

 

「簡潔な話し方ができず、だらだらと話してしまった。」

 

「きっと迷惑に思われたに違いない。」

 

そんな不安から、人とちょっとした雑談でさえもできなくなった。

 

「仕事もできないくせに、おしゃべりなんかして!」

 

と同僚に思われるのが怖い。

 

だから極力黙っている。

 

彼らと友達になりたいわけではないが、悪い印象は持たれたくない。

 

孤立していて、少し寂しい感じがする。

 

 

 

基礎疾患がある人はワクチン優先接種可能なことは知っていたのだが、精神障害手帳を持っている人もそれに含まれることを最近知った。

 

ワクチン接種券も届き、ようやく普通に暮らせる未来が見えてきた。

 

一瞬明るい気持ちになったが、やっぱりまだ気分が落ち込んでいる。

 

なかなか笑えないし、口はあいかわらず『への字』になったまま。

 

トリプタノールの量を増やしてみたが、あまり効き目がないようだ。

 

天気と不調の関係 〜気象病管理アプリ「頭痛ーる」〜

f:id:betterlifewo:20210705074955p:plain


私は暑すぎず寒すぎず、カラッと晴れた天候が好きだ。

 

好きな月は5月や10月。

 

たとえ鬱状態だったとしても、天気が良ければ気分も多少ましになる

 

 

 

「雨の日は鬱になる」という人がいる。

 

雨の日はジトジトして湿気が多いし、電車やバスの中は人で溢れるし、車はスピードを落として走行するので道が混む。

 

「傘を持っていかなきゃ。」

 

「いつもより早く家をでないと遅刻する。」

 

などいろいろ考え事が増える

 

雨の日は低気圧の場合が多いらしい。

 

その低気圧が頭痛、関節痛、めまいをなどの症状を引き起こすと言われている。

 

敏感な人はこのような理由で「雨の日は鬱になる」と感じるようだ。

 

 

 

確かに私も雨の日は嫌いだし、何をするにも億劫になる。

 

鬱以外の症状はあまり感じたことはないが、低気圧は自分に影響しているのか気になった。

 

そこで『頭痛ーる』というアプリをダウンロードしてみた。

 

有料の機能もあるが、基本的には無料なのが嬉しい。

 

住んでいる地域を入力すると、天気予報と低気圧警戒情報が確認できるようになっている。

 

普通、気圧は「hPa」で表され、どの数値が低気圧なのか高気圧なのかピンとこない。

 

だが気圧の警戒レベルを「通常」「やや注意」「警戒」と3段階で示してくれるので、とてもわかりやすい。

 

その時の体調を「普通」「少し痛い」「痛い」「かなり痛い」と4段階で記録がつけることができる。

 

それに加えて、その地方に住む他のアプリ利用者の体調もチェックできるようになっている。

 

 

 

試しにしばらくの間、頭痛がした時や、鬱を感じた時に記録をつけてみた。

 

調子が悪い時に「気圧警戒注意」予報がでていると、

 

「やっぱり、天気のせいなんだ。」

 

と原因がわかって安心した。

 

一方、調子が悪い時に「通常」予報がでていると、

 

「やっぱり、私の鬱は天気に関係なく悪いんだ。」

 

と、なぜ今鬱を感じているのか原因がわからないので、少し悲しくなった。

 

 

 

結局のところ、私の鬱は低気圧とは関係がないようだ。

 

『頭痛ーる』は鬱専用のアプリではないし、気圧の変化に関係なく鬱を感じる人がいるので、みんながこの予報に当てはまるとは限らない。

 

低気圧に左右されやすい人には、予報を見て心構えができるので、少し気が楽になると思う。

 

カナダのレストランアルバイト⑤ 〜あっけない解雇〜

 

夏の観光シーズンでお客でいっぱいの店。

 

同僚ともおしゃべりする時間がないほど忙しかったが、なんとかやっていた。

 

 

 

8月末に祖母が亡くなった。

 

葬式に出るために、急いで日本へ帰るための航空券をとる。

 

一週間後まで仕事のシフトは出ていたが、葬式に出ないともう一生祖母の顔を見ることができないと思うと、そんなことどうでもよかった。

 

イタリア人オーナー(妻)とチェコ人マネージャーに「急に休んでも申し訳ないのだが、身内の不幸のため、しばらく仕事に出られない。」とメールを送った。

 

マネージャーからは「わかった。オーナーに伝えておくよ。」とあっさりとした返信が来た。

 

オーナーからの返信はなかった。

 

 

 

日本へ帰国し、無事に葬式に出席でき、祖母に会うことができた。

 

そして3週間ほど日本に滞在してからカナダに戻った。

 

f:id:betterlifewo:20210701064859p:plain

 

9月中旬、オーナーとマネージャーに「カナダに戻ったので、いつでも働ける。」とメールをした。

 

マネージャーからは「もうレストランは忙しくなくなったから、働かなくていいよ。給料は預かってるから、いつでも取りに来て。」とさらっと解雇だとメールで告げられた。

 

今度もオーナーからの返信はなかった。

 

急に3週間も休んだ私が悪いのだが、仕事を辞めなくてはいけなくなったのでショックだった。

 

私は仕事に遅刻したり休むことはなかったし、帰国する際も理由を説明して、丁寧にメールをしたつもりだった。

 

身内の不幸が嘘で、急に勝手に休んだと思われてしまったのだろうか。

 

「それはお気の毒に。」とか「悪いけど、もう雇えないわ。」など、オーナーは一言も言って(返信して)くれなかった。

 

 

 

いまいち納得いかなかったが、レストランに給与を取りに行くことにした。

 

給与明細の紙の端っこに「Thank you!」とだけ書いてある。

 

オーナーが書いたのだと思うが、ちっとも感謝している気持ちは伝わってこない。

 

まるで『これであなたは解雇よ。じゃあね。』と言っているようだった。

 

そしてこれが一度も返信をしてくれなかったオーナーからの最後のメッセージだった。

 

 

 

確かにあのレストランは観光客に頼っているの店なので、夏は忙しく、冬は暇になる。

 

同僚のほとんどはワーキングホリデーの外国人や学生ばかり。

 

夏にたくさんそんな人を雇って、閑散期の冬にはほぼみんな解雇する。

 

外国人や学生なら文句も言わないとでも思ったのだろうか。

 

急な帰国をしていなくても、遅かれ早かれクビになっていたようだ。

 

そんなことは求人広告にも書いてなかったし、雇われた時にも言われなかった。

 

休憩やまかないもなしに働かせ、用がなくなればクビ。

 

オーナーに不信感が湧いてきて、「やっぱりこんなオーナーの元で働きたくはないから、辞めて良かった。」と思えてきた。

  

カナダのレストランアルバイト④ 〜繁忙期の心の疲れ〜

 

 

夏、観光客が増えるにつれて、お客の数も多くなった。

 

私は混んでいる店には行くのも嫌いだし、働くことも嫌いだ。

 

忙しさや長時間待つことは、気持ちの余裕がなくなり、人をイライラさせて怒りっぽくさせるからだ

 

お客とウエイターの板挟み状態に摩擦が増えてしまう。

 

 

だが、それとは逆に忙しくなる週末に働きたいスタッフもいた。

 

それはお客が増えるとチップも増えて稼ぎやすいからだ。

 

私はそれよりも、平和でゆったりと、気持ちの波を立てずに働きたかった

 

f:id:betterlifewo:20210629065010p:plain

 

 

週末は、待ちが出るほど店がお客でいっぱいの日がある。

 

こんな時はスタッフが足りないので、オーナーカップルのどちらかが出勤した。

 

男性60才ほどの中東系オーナー(イギリス人マネージャーの父)はユーモアがある人で、スタッフにも優しかった。

 

彼が受付係をしてくれるので、私はテーブルを片付けや掃除などの簡単な仕事をした。

 

彼の指示通りに動き、何かあれば彼が責任を取ってくれるので、気持ちの面でとても楽だ

 

 

 

だが、まれに忙しい日にオーナーがいない時があった。

 

お客を案内している間に、次々とまたお客が入ってくる。

 

基本的にお客は入り口で案内係が来るまで待たないといけないのだが、そのルールを知らない人たちは勝手に好きな席に座ってしまう。

 

そうすると、チップに厳しいウエイター達から私へ文句が出て来る。

 

ウエイターA「私のセクションに全然お客がいないんだけど!私にもお客を案内してよ!」

 

さらにもっと忙しくなると、たくさんお客のいるセクションのウエイターからも苦情が出て来る。

 

ウエイターB「僕の所はお客がたくさんいて手が回らないから、しばらくはお客を案内しないで!」

 

ウエイターから怖い顔をされるので、お客をコントロールしようとするのだが、長く待たされたお客も不満が募って、案内した席が気にくわないなどと言いだす。

 

客A「こんな狭い席は嫌!あの席がいいわ。」

 

そう言ってお客はよりによって「しばらくお客は入れないで。」と私に文句を言った忙しいウエイターのセクションの、まだ食器を片付けてもいないテーブルに強引に座ってしまう。

 

さらにキッチンも忙しくて料理の提供の時間が遅くなり、ウエイターの仕事なのに案内係にも

文句を言われる。

 

客B「注文してからかなり待ってるんだけど、いつ料理が来るの?」

 

客C「なんでメインのパスタが先に提供されて、前菜がまだ届かないの?」

 

店も他のスタッフ達もキャパオーバーだ。

 

私は案内係というかクレーム処理係をしているようだった。

 

こんな日は、HSPで人の感情に敏感な私の体も心もダメージが大きい

 

なんでこんな忙しい時にオーナーがいないのだろうと思うが、なんとかやるしかなかった。

 

カナダのレストランアルバイト③ 〜労働環境とマネージャーの正体〜

2ヶ月ほどたち、少しずつ仕事に慣れてきた。

 

日本とは違う接客システムだし、相変わらず電話は苦手だったが、カナダの地元レストランで働いていることと、同僚やお客が国際色豊かだったことにはとても満足していた。

 

私の仕事のある日のルーティーンはこうだった。

 

08:00  起床・朝食

08:30  家を出る

09:00  勤務開始・トイレなどの掃除

09:30  食器を磨く・ナイフとフォークをナプキンに包む

10:00  お客を席に案内する・食器を下げる

16:00  勤務終了

16:30  帰宅・シャワーを浴びる

17:00  夕食

 

普通の勤務に見えるが、後になって考えると酷いものだった。

 

9時から16時まで7時間勤務をしていたのだが、昼食の時間がなかったのだ。

 

そして短な休憩も一切なかった。

 

確か、ウエイターやシェフなど8時間勤務以上になるとまかないがもらえるのだが、私のポジションの場合はもらえない。

 

社員割引で3割引ほどで料理が食べられるらしいが、このレストランは観光地にあり、基本的に料理の値段が高かったので、割引になるといっても食べたいとは思わなかった。

 

ちなみに、オーストラリアやドイツのレストランで働いた時も1日の勤務時間は6時間ほどだったが、どこも無料でまかないを食べることができた。

 

f:id:betterlifewo:20210623070032p:plain

 

ちょっとこのレストランの労働環境が変だなと思った頃、ウエイター(兼マネージャー)と話す機会があった。

 

彼は20代後半のイギリス人で、背が高く、ハンサムで優しい人だった。

 

私「ウエイターの人はまかないがあっていいな。私たち(受付係)だって7時間も働いているのだから、まかないを食べたいよ。しかも休憩なく働けなんて無理だよ。」

 

彼はただ私の愚痴を静かに聞いてくれた。

 

 

 

しばらくしたある日、受付係の同僚と話していた。

 

同僚「ねえ、知ってる?マネージャーってオーナーの前妻の息子なんだって!全然似てないよね(笑)。」

 

私は一瞬混乱した。

 

オーナーは40才くらいのイタリア人女性と、60才くらいの中東系男性のカップルだ。

 

私「え、だってオーナーはあったことあるけど、中東系だったよね?でもマネージャーはイギリス出身でしょ?」

 

同僚「オーナーの前妻がイギリス人だったから、マネージャーはイギリスで育ったんだって。」

 

・・・

 

こないだマネージャーに散々レストランの文句を言ってしまったのだが、なんと彼はオーナーの実の息子だったのだ。

 

従業員はワーキングホリデーの人や学生が多かったので、彼もてっきりその1人かと思っていた。

 

血の気が引いた気がした。

 

こんな恥ずかしい思いをしたことがなかった。

 

『マネージャーは私の愚痴を黙って怒りもせずに聞いてくれて、本当に心の広い人だった。』

 

と思うべきか、

 

『いや、顔には出さなかったが、心の中では私にむかついていたかもしれない。』

 

と思うべきか・・・。

 

なんだかオーナーの顔がちらついて、その後気軽にマネージャーには話せなくなってしまった。