躁鬱の完治は諦めてます。

躁鬱歴15年&HSP。幸せを感じるのって難しい。

アップダウンの激しい1日 ②

 

 

betterlifewo.hatenablog.com

 

あらかじめ呼んでおいたタクシーのトランクに彼のスーツケースとリュックを乗せ、空港へ向かう。

 

道が空いていたので、思ったよりも早く空港へ到着し、ちょっとホッとする私達。

 

私「これなら時間に余裕があるし、搭乗時間に間に合うね。」

 

トランクに入っていたスーツケースとリュックを取り出し、空港内のチェッキングカウンターへ向かう。

 

チェッキングカウンターには20人ほどが既に並んでいた。

 

待っている時に、ふと彼のリュックを見ると見慣れないシミがついていた。

 

私「あれ、リュックにこんな汚れついてたっけ?」

 

彼も汚れを確認する。

 

彼「あのドライバーのトランクが汚れてたんだよ。くそっ。あんなタクシー乗らなければよかった。だってあのドライバー、最初にトランクもなかなか開けてくれなかったし、スーツケース入れるのも出すのも手伝ってくれなかったよ。」

 

大きな声ではなかったが、口調は強い。

 

彼はまたイライラし出した。

 

でもさっきのイライラはすぐに終わったし、私たちはもう空港内にいて問題なくスーツケースもチェックインしたし、もう大丈夫だろうと私は思っていた。

 

 

搭乗時間まで2時間ほどあるので、私たちは空港内をぶらぶら歩き回ることにした。

 

私「展望台に行ってみたいな。」

 

なんとなくこっち方向かなーと2人で歩いていると、案内カウンターにスタッフが立っているのを発見した私。

 

私「ちょっと待って!」

 

彼を呼び止めるが、私の声が聞こえなかったみたいで、彼はどんどんと先へ歩いていく。

 

彼はそのうち私が横にいないことに気づいて戻ってくるだろうと思ったので、私はスタッフに声をかけた。

 

私「こんにちは。(スマホで展望台の写真を見せながら)この展望台へ行きたいのですが、どこにありますか?」

 

スタッフは60代くらいの女性。

 

私の辿々しい英語はいまいち伝わらなかったのか、小さな写真で見えにくかったのかはわからないが、曖昧な返事をされた。

 

その間に私がいないことに気がついて、彼も案内カウンターへ戻ってきた。

 

スタッフに何度か説明するが、ピンときてない顔をしている。

 

彼「時間はたっぷりあるから、自分たちで探そう。」

 

彼はあまりここに居たくないような顔をしている。

 

もう1度質問しようと数秒後にスタッフの方を見ると、もうすでに別の人と話し始めていた。

 

『もうちょっと聞きたかったのに、勝手に会話を終了された。でもまあいっか。』と私は思った。

 

スタッフは多分聞いてなかったと思うが、「ありがとうございます。」と言って私たちはまた歩き出した。

 

歩きながら、彼はイライラしていた。

 

彼「なんで案内カウンターに行ってあの人に聞いたの?僕たち時間があるから自分たちで探せばいいじゃん!」

 

私「え、だって人に聞いたほうが早いと思って。」

 

彼「あのスタッフ、君の英語理解してなかったし、聞いても無駄だよ。君の英語は考えたりして途中で途切れちゃうから伝わらないんだよ!」

 

???

 

なぜ私は彼に怒られてるのか?

 

理解できず、思考停止

 

私「私、人に聞いただけだよ?」

 

彼「聞く必要ないよ、あんな人に聞かなくてもいい!」

 

彼はどんどん先に進んでいくが、私の足は止まってしまい、次第に涙が溢れ出てくる

 

私は全く悪くないし、理不尽に怒られている。

 

私も彼に怒ればいいのに、怒ることはできない。

 

彼の怒った顔を見ていると、なぜだかわからないが、自分が悪いことをしたような気持ちになってくる

 

泣きながら歩き出し、彼に追いつく。

 

様子が違う私に気がつく彼。

 

彼「なんで泣いているの?泣かなくてもいいじゃん。」

 

私は泣くことしかできない。

 

私「ただ人に聞きただけじゃん・・・・・・・・。」

 

彼「・・・ごめん。僕が悪かったよ。」

 

しばらくして自分の非を認めて謝る彼。

 

私は一度鬱にハマるとそう簡単には抜け出せない

 

辛くて本当はその場で膝をついて泣き崩れたいくらいだったが、多少の理性が残っていたのでそれはせず、無言で彼のあとをトボトボ歩いた。

 

それが私ができる精一杯のことだった。

 

涙が止まっては、また泣き始め、止まっては、泣き始めが続く。

 

あまりにしんどいので、たまたま持っていた頓服薬であるレキサルティを飲む

 

何度も彼は謝るが、私の状態が一向に良くならないので、彼も呆れた顔をしている。

 

本当はこの場から逃げ出したかったし、搭乗時間までまだ時間があるが、彼をこのまま置いて今すぐにでも家に帰りたいくらい。

 

でもここで喧嘩のまま別れてしまったら、次に会えるのは1ヶ月後だし、仲直りするのに時間がかかると思った。

 

なので無言で重い空気の中、目的の展望台に行き、とりあえず椅子に座って窓から見えるたくさんの飛行機を眺める2人。

 

鬱に突入し30分くらいして、ようやく私の気持ちが変わり始める。

 

『誰だってイライラすることはあるよね。彼も謝ってくれてるのだから、もう許してもいいのではないか。』

 

いつものように他愛のない話をする。

 

時々私の気分の波が大きくなって涙が流れるが、頑張って平常心を保とうとする。

 

私だって鬱のままではいたくないので、なんとか自分で自分を落ち着かせる。

 

場所を移動し、空港内のお土産やさんを見て回る。

 

買う気は全くないのだが、多少の気分転換にはなった。