働いている飲食店に、予約注文が入った。
2週間後に150食分という大量注文で、さらに通常とは違うスペシャルメニュー。
嫌な予感がした。
理由はいくつかある。
すでに気分が沈んでしまう。
予約の日が来るのが怖い。
当日。
早朝からの出勤だったが、前日は不安でぐっすり眠れなかった。
職場に到着すると、空気がピリピリしている気がした。
通常メニューとは違うので、マネージャーに一つ一つ聞く。
お客が料理を取りに来る時間が決まっているので、ミスしてしまったら間に合わなくなる。
最初は順調に進んでいたが、次第にお客が来る時間が近づき、ばたつく私たち。
同僚「やばい、あと30分しかない!」
マネージャーがイライラしだす。
場の雰囲気に耐えられなくなる私だが、逃げるわけにはいかない。
マネージャー「最終確認をするから、料理の数を数えて!」
間違えてはいけないというプレッシャーとピリついた雰囲気のせいか、ちょっとパニック状態になった私はうまく数が数えられない。
何度か数えてやっと数が合うが、自分が信じられなくなって、やっぱり数が間違っているのではないかと不安になり、また数え直す。
間違えたら大変な事になる。
マネージャーの怒る顔を想像して、恐怖心が大きくなる。
その後、同僚に数の確認を手伝ってもらい、なんとか準備は完了。
お客を数分待たせてしまったが、無事に料理を受け渡し、その日の仕事終了。
ほっとしたのも束の間、また不安が私を襲う。
- もしかして料理の数が合ってなかったかもしれない
- 箸や皿を入れ忘れたかもしれない
- 後からお客が怒って、苦情の電話をしてくるかもしれない
- マネージャーやオーナーにこっぴどく怒られるかもしれない
勤務終了して家に帰ってから、ずっとハラハラしていた。
それは次の勤務日まで続いた。
怒られる、怒られる、怒られる・・・
苦しい、苦しい、苦しい・・・
結局何の苦情もなかったし、むしろお客からお褒めの連絡をマネージャーはもらったらしい。
不安損。
しばらく鬱だった時間が無駄だった。
普段と違ったことや、大量の注文は受けたくない。
無駄に辛くなってしまうから。