1ヶ月ほど仕事で体が疲れ気味だった。
勤務後は1時間ほど昼寝をしないと動けない時もあった。
でも職場では疲れを見せないように頑張って働いていたつもりだったのだが・・・。
ある日出勤すると、同僚がなんだかバタバタしていた。
一気に大量の注文が入ったからだ。
嫌な予感がした。
同僚の慌てた様子を見ているだけでドキドキしてくる。
仕事は始まったばかりなのに、もう私の気持ちは焦っていた。
仕事を始めて15分くらい経つと、キッチンからマネージャの大きな声がする。
マネージャー「あれ準備しなかったの!?!?」
私がやるはずだった食材の下処理を忘れていたのだ。
私「すいません!」
やばい、やってしまった・・・。
すぐに一部メニューを止めなければいけなかった。
なんとか挽回しようとして下処理を始めようとしたが、マネージャーに止められた。
マネージャー「そんなの後にしてっ!時間ないからっ!」
叫ぶに近いような、強い口調だ。
大量注文とは別に、続々とお客が入店してはオーダーをしていく。
お客と注文量が多いことで焦る、さらに自分の失敗に罪を感じる、そしてマネージャに恐怖を感じるというトリプルパンチ。
頭が真っ白。
お客の数が段々と落ち着いてきたので、食材の下処理を始めようとした。
マネージャー「それは新しいものだから、日付の近いもの使ってっ!!」
また怒られた。
ミスにミスを重ねたのだ。
私はできるかぎり一所懸命に働いているし、ふざけているわけでもない。
でも忙しい時は、マネージャーにきつい感じで怒られる。
私は本当に怒られることが苦手だ。
切り替えが遅いし、それが鬱につながって長引いてしまうからだ。
以前から短気のマネージャーに対して恐怖は多少あったが、またその気持ちがぶり返してくる。
泣きたい気持ちになったが、店の忙しさでそれどころではなかった。
ただただ体を動かして、気持ちを紛らわす。
大量注文が終わり、お客の波もひと段落すると、無言の時間があった。
そのシーンとした空気がまた怖い。
マネージャーのご機嫌を取らなければと、HSPの私は空気を読み始める。
何かマネージャーの気分が良くなる話をしなくては。
恐る恐る、声を掛ける。
私「あの常連のお客さん、新メニュー食べて美味しいって言ってましたよ。新メニューとても人気ですね。」
マネージャー「そーなんだ。今度はもっとたくさん仕入れなきゃね。」
マネージャーの口調は通常時よりもワントーン低かったが、機嫌は悪くはないようだ。
本当は話したい気分ではなかったが、重苦しい沈黙が耐えられなかった。
マネージャーが退勤した後、同僚が私に声をかけた。
同僚「私もあなたに一言言っておけばよかったね、下処理お願いねって。そうすれば忘れなかったよね。」
同僚も怒られている私を見て不憫に思ったのだろう。
同僚もたまにマネージャーにきつく怒られるので、私の気持ちがわかるようだ。
私「いつもはやってるんだけどねー。たまたま忙しい日に忘れちゃったからマネージャー怒ったんだよねー。」
あまり気にしてないような口振りで返事したが、心の中は鬱どん底だった。