搭乗時間が近づき、そろそろ彼は手荷物チェックをする場所に行かなければいけない。
そこからは航空券の持った人しか入れないようになっている。
彼の様子が急に変わる。
私を見てくれない。
よく見ると彼の目が赤くなっていた。
泣くのを必死に我慢しているようだ。
同棲をして1年半が経ったが、1ヶ月の間もの間離れて暮らすのは初めてだ。
彼は寂しくて仕方がないらしい。
一方私はというと、1ヶ月後には会えるのだし、離れて暮らすことは寂しくない。
全然へっちゃらタイプだったのだが、彼の様子を見ていると私もだんだん悲しい気持ちになってきた。
そして私はまた泣き出す。
私は本当にHSP体質だなと実感。
人の感情に影響されやすい。
これまで悲しい気持ちなんてひとつもなかったのに、今は寂しくて辛い気持ちになってきた。
永遠の別れでもないのに2人でうるうるメソメソして、側から見たらなんてバカップルなんだろうと思う。
最後にハグをして彼を見送る。
彼は手荷物チェックへ向かい、私は彼の姿が見えなくなるまで見守り続けた。
空港からは電車で家に帰ることにした。
なんだが心にポッカリ小さな穴が空いた感じ。
いつもある、彼がそばにいてくれる安心感がなくなったからだろうか。
彼のいない生活が1ヶ月・・・。
これまで毎日いた人がいないって、不思議な感じ。
『彼の乗った飛行機が落っこちませんように。無事に到着しますように。』と祈る。
私が家に到着すると、疲労感でいっぱいだった。
やっぱり泣くと、体が重く感じるし、脱力感もあるし、もう何もできなくなる。
1日の終わりに食器を必ず全部洗うようにしているのだが、もう無理。
シャワーも浴びれない。
薬はいつもよりも多めに飲んで、服を着替えてベットにゴロん。
それで精一杯。
1日の感情の変化が大きすぎた。
彼と過ごせることが幸せ
↓
彼のイライラにちょっとヒヤッとする
↓
彼のイライラがピークになり、鬱になって泣く
↓
泣きそうな彼を見て、私も寂しくなって泣く
↓
なんとか踏ん張ったが、帰宅して鬱再開
2回も泣いてるし、こんな1日は疲れるに決まっている。
次の日。
薬を多めに飲んだせいかぐっすり眠れたのだが、やっぱり体は重いままで、朝目が覚めたのにベッドから動けない。
2度寝、3度寝の後ようやくベッドから起き上がれたと思ったら、もうお昼の12時。
ちなみに私は毎日7時頃には目が覚める。
こんなに起き上がるのに時間がかかるということは、気分だけではなく体にまで影響が出ちゃっている証拠。
遅い朝食を食べるが、何もする気がなくて、ぼーっとスマホをいじってソファーにゴロゴロしていると、いつの間にか夕食の時間になっていた。
とりあえずたくさん食べて、お腹を膨らましてぐっすり寝ようと思った。
早く寝てしまえば、悪いことを考えなくて済むから。
彼がいなくて寂しいというよりも、今は鬱ひどくて辛い。