躁鬱の完治は諦めてます。

躁鬱歴15年&HSP。幸せを感じるのって難しい。

躁鬱の私と初事務アルバイト⑧責任感が強すぎてサービス残業

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退職する2週間前。

 

上司「仕事の引き継ぎをしないといけないから、やらなきゃいけないことのリストを作ってね。あとAさんに少しづつ仕事を教えてあげてね。」

 

Aさんとは同じ部署だが、リモートワークのせいで毎日のようには会えないし、この月は会社の繁忙期だった。

 

さらに、Aさんも今している仕事があるので、教える時間が少なかった。

 

『今日も教えられなかった。』思ったように進まず、少しづつ焦りを感じる

 

エクセルでリストを作り始めるのだが、その他の仕事に追われてこれもなかなか進まない。

 

 

 

退職まであと1週間だが、やはり仕事が終わらない。

 

出勤を15分早め、昼休みを30分カット、退勤を15分遅くした。

 

もちろん、サービス残業だ。

 

『時間が延長した分、会社に請求してもいいじゃないか。』とも少し思うが、『普段同僚に迷惑をかけているし、仕事もできない私が残業代を請求してはいけない。』という気持ちが大きかったので、残業申請することもなく黙々と残業をした。

 

私の周りに対する変な(?)気遣いで、同僚に変に思われないように、時間を分散させて残業した。

 

どうしても仕事を終わらせたいという責任感と、同僚に仕事を残してこれ以上迷惑をかけられないという申し訳ない気持ちが合わさっていた。

 

これが1週間続き、ついに退職に日を迎えた。

 

 

躁鬱の私と初事務アルバイト⑦消えたい日

 

金縛り状態で鬱を感じた翌日、普段通りに出社する。

 

また昨日のミスを思い出す。

 

罪悪感がますので、Bになるべく会わないように願った。

 

仕事をしていても頭がぼんやりする。

 

頭痛がするわけではないのだが、脳をグッと掴まれているような感じがする。

 

躁鬱病の人の脳は普通の人と比べて縮む(小さくなる)と聞いたことはあるが、まさにそうだろうと思う。

 

なんとか仕事を終えて帰宅した時には、脱力感で手がだらんとして力が入らない

 

かなりの重力で手が引っ張られる感じがして、手が伸びて地面に着きそうな気さえしてしまう。

 

歩きもゆっくり、動きもゆっくりになっていた。

 

そしていつも以上の無気力感を味わった。

 

自分が好きでしたいと望んでいたことも、本当に私がしたいことだと思えなくなった

 

このまま消えたい

 

親が悲しむので、親が死ぬまでは私は死ねないし、自殺願望はない。

 

しかし自殺する人の気持ちもわからないでもないと思った。

 

毎日が辛く、楽しいこともやりたいこともないし、笑うこともできない。

 

体も心も疲れて、生きているだけで苦痛

 

絶望感ばかりの人生

 

これがあと40年ほど続くのだろうか。

 

どうしたらいいのだろう。

 

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次の日もやっぱり仕事のミスのことを考える。

 

やっぱりBさんの困った顔を忘れることができない。

 

そうやって上の空で仕事をするので、また他にもミスが出てくる

 

メールを確認をしたつもりだったが見落としがあり、相手に非がなかったのにも関わらず「ファイルの提出をお願いします。」という不必要なメールを出してしまった。

 

その私の無駄なメールは部署で共有されるので、同僚に私のミスがバレてしまう。

 

また恥ずかしい思いをした。

 

注意が散漫なのだ。

 

メールの件名を間違えたり、漢字の変換ミスだったり、メールの内容を最後まで読まないので理解をしていないなど、私はかなりミスが多い

 

こんなことが色々続くと、自分は何もできないのだと思う。

 

職場ではさらに無口になり、元気でハッピーな人を見るとイライラしてくるし、下ばかり見て歩くようになった。

 

こういう時は決まって猫背になる

 

胸を張って生きられないから。

 

 

 

 

 

 

 

芸能人の自殺で動揺するHSP

また、若くて才能ある人が死んでしまった・・・。

 

ファンというわけではなかったけれど、とてもショックだった。

 

HSP躁鬱病の私は、他人事とはあまり思えず、ここ一週間ずっと彼女のことを考えてしまっている。

 

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苦悩もあったかもしれないが、主演の仕事があって、知名度もあって、周りから見れば芸能人として成功している人だ。

 

私も鬱の時はつらくて消えたいと思う時もあるが、死ぬ勇気はない。

 

それを乗り越えて死を選択するということは、よほど追い詰められていたのだろう。

 

週刊誌によると原因はいくつもあるようだし、本当かどうかもわからないが、もし恋愛関係でひどく鬱になっていたのなら、なんで勿体無いことをしたのだろうと思う。

 

私がもし友達だったら、こんなことを言ってあげたい。

 

  • 辛くなったら自分を客観的に見ることが大事
  • 自分を悲しませる男は、別れて正解
  • 彼より思いやりがあって、素敵な人は他にもいる
  • 彼のことで鬱になるなんて時間の無駄
  • もっと楽しい事や、気分がリラックスできる事に時間を費やして

 

鬱だとなかなかそうは考えられないけど、チャレンジはしてほしい。

 

ちょっと鬱の外に目を向けると、少し気が楽になると思う。

 

 

 

さらに、彼女の両親についても考えてしまう。

 

私だったら、娘が35歳で命を絶つことを受け止められず、心が崩壊。

 

なんでこんなことになってしまったんだろうと、過去の子育てや子供との接し方を永遠と悔やむだろう。

 

子供には、親より先に死んでほしくない。

 

子供には健康に生きていてくれるだけで、それだけでいいのに。

 

そんなことを考えると、耐えられないし心が痛い。

 

 

 

私と同世代で精神薬を服用していたと聞いて、自分に近いものを感じた。

 

そのせいで必要以上に感受性が強くでてしまい、未だに動揺している

 

知人でもないし、私には何もしてあげれることはなかったのだが、とても無念さを感じた。

 

躁鬱の私と初事務アルバイト⑥じわじわ戻る記憶と金縛りで鬱

 

 

少々寝不足で、体調がイマイチだと朝から感じでいた。

 

いつもは7〜8時間ほど睡眠をとるのだが、今日は6時間。

 

いつものように職場に向かい、午前中に上司と話していると、仕事の内容で確信が持てないことがあった。

 

上司A「多分この内容で合っているよね?多分大丈夫だと思うけれど、Bさんにもう一度聞いてきてくれない?」

 

私はすぐにBのいる部署へ向かった。

 

私「Bさん、確認なんですけどこの内容で合ってますか?」

 

B「はい。前に上司Aさんにも伝えましたけど、合ってますよ。」

 

私は確認した内容が合っていて良かったと思ったが、マスク越しにBが少し戸惑ったような顔をしているように見えた。

 

Bの態度が気になって、自分のデスクに戻ってから少しずつ記憶を整理する。

 

確かに何度か同じ件についてBと話したことはある。

 

・・・

 

そーだ、昨日Bが私のところまで来てくれて、そのことについて話したことを思い出した。

 

よくよく考えてみるともう終わった話なので、今日私はBに質問をする必要がなかった。

 

同じことを何度も聞いたから、Bは困ったような態度だったのだ。

 

自分のミスに気がつき、Bに迷惑をかけてしまった。

 

やってしまった。

 

恥ずかしい

 

思考回路が停止して、パソコンを打つ手が止まる。

 

しばらくして仕事に戻ろうとするが、そのミスが頭から離れないので度々手が止まる。

 

パソコンの画面を見ても文章や内容は入ってこないし、これから何をすれば良かったのかも忘れる。

 

1日中その調子で、仕事に集中することができなかった

 

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その日の夜、もやもやしながら就寝した。

 

その日の夜中、いつもより冷え込んだせいで少し寒気がして、ほぼ無意識に布団を体にかけた。

 

その無意識状態のまま、ミスしてBを困らせてしまったことを考えた

 

考えたくないのだが、金縛りの様な状態なので目は開けられないし、体を起こすこともできない。

 

どれくらいそんな状態だったか正確にはわからないが、私には数時間経ったように感じた。

 

しばらく苦しんだ後、やっと目を開けることができた。

 

そしてすぐに携帯を手に取り、『躁鬱病 症状 記憶』と調べた。

 

どうしても仕事のミスの原因について知りたかったし、これが躁鬱病の症状だという確信が欲しかった。

 

これが一般的な症状ならば、納得いくし、諦めもつく。

 

でも私が求めるような検索結果はすぐに出てこなかった。

 

もしかしたら私だけが、『記憶があいまいになる・ミスが多い・物事を整理できない』などという、並外れたひどい躁鬱症状なのかもしれない。

 

私だけがおかしいのかもしれない

 

そう思うと涙が出て来た

 

私の躁鬱症状がさらに悪くなっていくような気がして、悲しくなった。

 

 

躁鬱の私と初事務アルバイト⑤お昼休みの涙

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午前中に、珍しく私のデスクの電話が鳴る。

 

嫌だなと思いながらも、電話に出ないわけにはいかない。

 

総合案内係から私の所属部署宛に外部からの電話があったと伝えられた。

 

私は焦って周りをキョロキョロして、部署の社員を探す。

 

社員を見つけて電話に出てもらう様頼んだが受け入れてもらえず、とりあえず要件を聞けという。

 

頭の情報処理能力が低下しているし、予期していない状況に対応することが苦手だと分かっているので、前回のように要件さえもまともに聞きとることもできないと思うが、しょうがない。

 

私「大変お待たせいたしました。・・・」

 

電話恐怖症の私は恐る恐る電話に出る。

 

震える声や手を隠しながら、相手の話を聞く。

 

入社2ヶ月もしていないアルバイトの私が要件を聞いても、予想通りやっぱりわからないし、言葉遣いも変だし、まともな対応ができなかった。

 

どうにもこうにもできなかったので社員に助けを求めると、やっとその電話を代わってくれた。

 

その電話は社員の対応でなんとか処理されたのだが、私の動揺は激しかったようだ。

 

 

 

昼休み。

 

コロナ対策のため、通勤している車で昼食を取るようにしている。

 

1人になれるし、静かなので集中して本も読めるので、リラックスできる時間だ。

 

車内に入るとため息が出る。

 

頭の中で鬱が充満しているようだった。

 

「何で自分はダメなんだ。」

 

まだ動揺していた。

 

「こんな人生、意味がないのではないか。」

 

全てのやる気が一気に抜けていった

 

持参したお弁当を食べながら、泣く

 

お弁当を食べ終わっても、涙は止まらない

 

いつもは食後の余った時間は読書をするのだが、そんな気にもなれずにしばらくぼーっとしていた。

 

躁鬱の私と初事務アルバイト④仕事が片付いたのに良かったと思えない

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少し仕事になれたかと思うと、あれもこれもしなきゃいけないと次々と仕事がやってくる。

 

毎日仕事に追われて、息苦しい感じが続く。

 

期限間近の仕事が2つ重なり、他の部署と連絡を取らないと仕事が進まなかった。

 

普段している仕事に追加でイレギュラーな仕事が重なって、私の頭は訳がわからなくなりパニックに。

 

同僚に同じことを何度も聞いたり、理解が遅くてなかなか話の整理ができない

 

周りの同僚が呆れているのを肌で感じる。

 

みんな優しくて聞いたら教えてくれるのだが、HSPの敏感能力でちょっと嫌な雰囲気を感じた

 

だが、同僚に迷惑をかけつつもなんとか厄介な仕事を終えることができた。

 

一瞬肩の荷が降りてホッとして、その日の帰宅時に運転をしながら、「みんなに変に思われたかな。迷惑かけてしまったな。」とまた不安になる。

 

帰宅後、部屋でぼーっとする。

 

すると今日バタバタしながらも、ひと段落ついた仕事を考えて涙が出た

 

鬱で辛かったが、必死に仕事をこなそうと追い込んで追い込んで・・・風船の空気が一気に抜けた感じ

 

また不安でいっぱいになる。

 

もう、社会で働いていけない。

 

もう、人と関わって生きていけない。

 

もう、家から出たくない。

 

もう、こんなに苦しみたくない。

 

『仕事がひと段落してよかったよかった!』とポジティブに思える人、家では仕事のことを考えない人になりたい。

 

躁鬱の私と初事務アルバイト③避けては通れない電話対応

 

事務職で働き出して1ヶ月が経った。

 

毎日のように不安を感じ、自分の仕事のできなさにがっかりする。

 

私は新人であり、仕事ができないことが当たり前なのに、自分が嫌になる。

 

そんな気持ちがなかなか良くならないので、朝はかなりの確率で仕事のことを考えながら嫌な気持ちで起きる

 

仕事が終わってから家に帰っても、「仕事が全然進んでない。」「同僚に変なことを言ってしまったのではないか。」と永遠と考える

 

そんなことをしても、仕事が進むわけではないし、過去は変えることができない。

 

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そんなある日、私に一本の電話がかかってきた。

 

電話対応が苦手なので、緊張しながら電話を取った。

 

社内の総合窓口からの電話だった。

 

窓口「A会社のB様からお電話がありましたけれど、お繋ぎしてもよろしいですか?」

 

嫌な予感がした。

 

確かにA会社に資料を送ったりしているのは私なのだが、今までA会社の人と連絡を取ったことがないので焦る。

 

間違ったことを答えてはいけないので上司に確認したかったのだが、上司はその場にいなかった。

 

私「詳しいもの(上司)が今席を外してるんですけど・・・」

 

窓口「じゃあ用件だけでも聞いてもらってもよろしいですか?」

 

私「・・・はい。」

 

もうダメだ・・・。

 

緊張と焦りと不安が入り混じって、私はすでに混乱していた

 

何を聞かれるのかとドキドキして電話に出る。

 

Bさん「Cの資料についてお聞きしたいんですけど。」

 

私が郵送した資料についてではなかったが、私の仕事に関係したことを聞かれた。

 

パニックで冷静になれずに答えが出せない。

 

上司にあとで確認を取ってから連絡する旨を伝えた。

 

だいぶ待たされた結果、私がはっきりとした返事をしなかったので、Bは早口でさっさと電話を切った。

 

「何だあの電話の切り方は!」と一瞬思ったが、すぐに「相手をイライラさせてしまった。」と後悔の気持ちになった。

 

電話を切ってから少し冷静になると、聞かれた用件を上司に伝えようと、メールを打った。

 

大体の用件は聞き取れていたのだが、焦っていたので一部聞き逃したことがあることに気づく。

 

私はまともに用件さえも聞き取れていない。

 

日本語なのに。

 

改めて私の脳の回転が遅いと感じる。

 

顔の見えない電話対応も苦手なのだが、急に起こったことへの対応も苦手なのだ。

 

あとで別の同僚が助けてくれたので、問題はなかったのだが、しっかりとした対応ができなかったのでになる。

 

少なくとも数日は、このことが頭から離れなかった。

 

躁鬱の私と初事務アルバイト②5日目の涙

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頭がパニックだ。

 

資料を読んでも文章が頭に入って来ず、ただ文字を目で追っているだけ。

 

全てが新しいことで、やらなければいけないことが沢山あるのだが、何一つ頭に入ってこない。

 

しまいには、何を考えていたのかさえも忘れる。

 

「今日も何もできなかった。明日何々しなきゃ。」と考えて、家に帰っても頭が休まらない

 

考えても無駄なのに考えてしまう

 

心配が募ってストレスになり、仕事から帰宅後20時には疲れてベッドに横になる。

 

朝起きて動き出せるようになるのは7時。

 

11時間もベッドに横になっていた。

 

よっぽど心が疲れていたのだろう。

 

起きていることがしんどい。

 

常にボーっとして頭が回らない。

 

運転時にぼーっとすることもある。

 

 

 

仕事5日目は朝から体調が悪く、不機嫌だった。

 

家族には不機嫌な様子を見せないように、なるべく感情を出さないようにした。

 

職場への通勤のため車を運転していると、突然が出てきた。

 

これはかなりやばいと思った。

 

これ以上ストレスを溜めると、職場で大泣きするかもしれない。

 

泣く姿を見られたら同僚との関係もギクシャクするかもしれない。

 

そんなことは絶対に避けたい。

 

車の中だと誰にも見られないので、泣くなら今しかないと思って泣く

 

職場に着く頃には落ち着き、これ以上は泣かないぞと気合を入れて出勤した。

 

その日の夜、仕事でいっぱいいっぱいになってどうしようもなくなっている夢まで見てしまった。

 

ほぼ24時間、解決しない仕事の悩みについて考え続けていたのだ。

 

「誰でも仕事を始めたばかりの時は上手くいかないし、慣れるのに時間はかかるよ。」

 

ほんの一瞬こう思うが、またすぐに

 

「こんなに仕事ができないなんて、私はもうどうしたらいいんだ。私には働くことなんて無理なんだ!」

 

という考えに戻る。

 

 

 

最初の10日間はずっとこのような鬱に陥って、すでに仕事を続ける自信を失っていた

 

躁鬱の私と初事務アルバイト①初日

 

無職になって2ヶ月ほど経ち、また仕事を探さないといけなくなった。

 

障害者枠で仕事を探すこともできたが、どれも面白くなさそうな仕事ばかりだし、給与も最低賃金並みだ。

そこで私は興味あることを仕事にしたいと思った。

 

ただでさえ鬱の波が酷いのに、多少の興味が無いと仕事を続けられないと思ったからだ。

 

心配はあったが、病気のことはクローズで事務のアルバイトに応募した。

 

すると職務経験がないにも関わらず、運良く採用となった。

 

今年に入ってオフィスワーク系のアルバイトは10社ほど不採用だったので、今回も期待していなかった分嬉しかった。

前日まで不安はあったが、ワクワクした気持ちの方が強かった。

 

新しいキャリアの始まりだ!

 

今までしていたサービス業とは全く違う自分。

 

事務の仕事をしている自分をイメージしてみる。

 

仕事をこなせるようになったら、かっこいいじゃないか。

 

この仕事を辞めたとしても、次の仕事に経験を活かせる仕事だと思った。

 

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初日は人事担当と同じ部署の同僚となる人たちに挨拶をするとこからスタートした。

 

心臓がバクバクする。

 

小心者なのでこのような時はいつも声が震えたり、はっきりと話せない。

 

さっと挨拶を終えると、私に割り当てられたデスクへ案内された。

 

私専用の席と、その上にドンと置かれた大きなデスクトップパソコンを見て嬉しくなる。

 

早速、与えられたログインIDとパスワードを入力しようとキーボードを触る。

 

最近調子がイマイチだったのでリーマスに加えて、毎晩トリプタノールも服用している。

 

すると緊張とトリプタノールの副作用が合わさって手が震えてうまくキーボードが上手く打てない。

 

「しまった、トリプタノールは飲むべきじゃなかった!」と後悔する。 

 

引き継ぎもなく資料をまとめて渡されたのだが、初めて見る単語ややるべきことの量が多過ぎてわけがわからない。

 

「この紙を見てやってみて。」と言われてもどこから手をつけていいかさえわからない。

 

その上、周りの同僚は自分の仕事が忙しいようで、ほとんど教えてくれない。

 

たぶん私が事務経験者と思い、そっとしておいたのかもしれないが・・・

 

訳のわからない資料をなんとか理解しようと試みる。

 

・・・文章を読んでも頭に入ってこない。

 

私は調子悪いと、出来なくなることがあるということをすっかり忘れていた。

 

調子が良くないと本を読んだり、文章の理解することができないのだ。

 

更にオフィスに何十人もの人が働いていて、来客も多い。

 

私は勉強するときや集中したい時は自分の部屋でないと雑音が気になってはかどらない。

 

静かな図書館でさえ、周りを歩く人が気になって本が読めない。

 

聞かなくてもいい音や会話に気を取られてしまうからだ。

 

オフィスは私にとって集中力しづらい環境だった。 

 

教えられながらいくつか仕事をこなしたが、自分が何をやっているか頭で整理ができなかった。  

 

 

 

帰宅後、頭痛がした。

 

そして初日から絶望する。 

 

全くやって行ける自信がなく、即座にクビにされるんじゃないかと思った。

 

 

躁鬱の心をえぐる授業

 

この1週間、本当に嫌な気持ちになりながら授業を受けていた。

先生が話しても、右から左へ抜けていくし、何も頭に入ってこない

カナダの学校に入学したばかりなのに、やる気ゼロでどん底スタート。

何だかわからないけれど、イライラもする。

 

学校で英語の履歴書の書き方と面接の方法を学んでいる。

カナダには日本の様な履歴書の形式はなく、必要事項が書いてあれば自由に書いてもいい。

授業で、自分の履歴書を作成するという課題が出された。

 

・プロフィール

・職歴

 

まずここで履歴書を書く手が止まる。。。

大学を休学したとか、卒業が遅れたとか、卒業後なかなか職に就けなかったとか。。。

暗い過去を思い出す。

先生に変に思われたくないし、挫折だらけの過去の経験も書きたくなかったので、「大学は四年で卒業、その後すぐに飲食店に就職しで数年間働いた。」というように半分は偽りの内容を書いて提出した。

 

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その次は、面接時の回答を考えてくることが課題だった。

 

・あなたの強みは何ですか?

・あなたの弱みは何ですか?

・一人またはチームプレーどちらが得意ですか?

・今までであなたが成し遂げたことはなんですか?

・5年後の目標を教えて下さい

 

固まった。。。

英語がわからないという問題ではなく、何も答えられない&答えることがないというのが問題たっだ。

私には強みなんて一つもないし、弱みといえば書ききれないほどたくさんある。

コミュ障の私はチームプレイは苦手なのだが、かといって一人で働くことが好きをいうと相手にマイナスイメージを与える。

私は頻繁に職を変えるので(6ヶ月程度)、今までで仕事で成し遂げたといえる事なんて何もない

5年後の仕事の目標と言われても、やりたいことが特にない今の状況で何も考えられない。

「ストレスなく働けたらいいな。」という私の緩い目標など答えられすはずがない。

本当は「マネージャーになって店の売り上げを伸ばし、会社に貢献したい。」とか言えばいいのかもしれないが、思ってもいないことは言いたくないし、嘘はなるべくつきたくないという良心が少々痛む。

 

仕方なく、また嘘をつきながら、自分はいかに才能ある人間かのように回答を考えた。

 

課題を通して、本当に自分は何もできていない、いい年齢なのに大した経験もしてきてないという現実を改めて突きつけられた気がした。