午前中に、珍しく私のデスクの電話が鳴る。
嫌だなと思いながらも、電話に出ないわけにはいかない。
総合案内係から私の所属部署宛に外部からの電話があったと伝えられた。
私は焦って周りをキョロキョロして、部署の社員を探す。
社員を見つけて電話に出てもらう様頼んだが受け入れてもらえず、とりあえず要件を聞けという。
頭の情報処理能力が低下しているし、予期していない状況に対応することが苦手だと分かっているので、前回のように要件さえもまともに聞きとることもできないと思うが、しょうがない。
私「大変お待たせいたしました。・・・」
電話恐怖症の私は恐る恐る電話に出る。
震える声や手を隠しながら、相手の話を聞く。
入社2ヶ月もしていないアルバイトの私が要件を聞いても、予想通りやっぱりわからないし、言葉遣いも変だし、まともな対応ができなかった。
どうにもこうにもできなかったので社員に助けを求めると、やっとその電話を代わってくれた。
その電話は社員の対応でなんとか処理されたのだが、私の動揺は激しかったようだ。
昼休み。
コロナ対策のため、通勤している車で昼食を取るようにしている。
1人になれるし、静かなので集中して本も読めるので、リラックスできる時間だ。
車内に入るとため息が出る。
頭の中で鬱が充満しているようだった。
「何で自分はダメなんだ。」
まだ動揺していた。
「こんな人生、意味がないのではないか。」
全てのやる気が一気に抜けていった。
持参したお弁当を食べながら、泣く。
お弁当を食べ終わっても、涙は止まらない。
いつもは食後の余った時間は読書をするのだが、そんな気にもなれずにしばらくぼーっとしていた。