[アルバイト3ヶ月目] やる気30%:不安70%
オーナーとスタッフ達は長い付き合いで、友達のような関係だった。そんな中に私はなかなか馴染めなかった。
店の定休日にスタッフみんなでスキーやスノーボードをしに出かけることになり、私も一緒に連れて行ってもらうことにした。
私だけ初心者だったのでみんなと一緒には滑れなかったが、食事をしたり、温泉に入ったり、はじめて仕事以外の会話をした。
職場では怖い印象のスタッフも、実は優しくてふざけることもあるお茶目な人なのだと知る。
オーナー夫婦もとても仲が良く、フレンドリーで親しみが持てる。
遊びに誘ってもらえることが嬉しかったし、みんなとの距離が縮まったようだった。
ある夜の営業日。お客が多くて忙しい日だった。
仕事の流れがわかってきて以前よりも動けるようになったのだが、それでもバタバタしていた。
余裕がなくなると笑顔が少なくなる。
たくさんの注文が入り、キッチンが忙しいのが目に見てわかる。
それを見て私もなんだか落ち着かない気持ちになる。
だんだん料理の提供時間が遅れてくる。
オーナーやスタッフの表情が強張り、指示する口調も強くなっていく。
こんなに忙しいことは滅多になかったので、余裕がなくなりミスも増える。
お客が少ない日であればオーナーからの注意で終わるが、この日はすごい剣幕で怒られた。
私だけではなくオーナーは他のスタッフにも常に怒っていた。
- お客の対応で手がいっぱい
- 慣れない忙しさでミスが増える
- オーナーがずっとイライラしている
- 他のスタッフもピリピリしている
- いつ怒られるかわからない不安
もう限界だった。
こんな雰囲気の中にいると、自分が押しつぶされそうだ。
じわじわと涙が出てくる。
泣いているところを見られたくないので、トイレに駆け込み落ち着くまで待つ。
その日はなんとか最後まで仕事をこなして、家に帰った。