いつも通り、近況をカウンセラーに話した。
・トリプタノール増量の効果で調子がいい
・外出することが増えた
・彼と喧嘩した
鬱にもなったが、基本的には体調が良かった。
話を聞いてもらった後に、前回の続きでイメージ療法を開始した。
楽な姿勢で椅子に座り、目を閉じ、手のひらを上に向けて膝に置き、深呼吸を数回した。
カウンセラー「浜辺に座っている自分を想像してください。あなたは星を眺めています・・・。」
カウンセラーが優しく語りかけてくれるのだが、前回と同様に私の集中力は乏しく、いろんな雑念がちょっかいを出してくる。
あの人はどうしてるかな?
明日はバイトに行かなきゃいけないな。
などと考えて、なかなか自分の世界に入れなかった。
カウンセラー「夜空で一番輝く星があなたを照らしています。その光がだんだんとあなたを包み込みます。そしてあなたのいい思い出や体験が浮かんできます。それはどんな事でしょう?」
前回は、オイルマッサージを受けてとても気持ちがよかったことを思い出した。
今回は亡くなった祖母が出てきた。
私はおばあちゃん子だった。
同居していたので、いつも面倒を見て可愛がってくれた。
どんなファッションでもネイルでも『いいねー。可愛いね。』と褒めてくれた。
そんな大好きだった祖母が、実家の庭を歩いている様子が頭から離れなくなった。
祖母が亡くなって数年経つのに、悲しみが溢れて、なんだか寂しくなってしまった。
いい思い出を想像しなければいけないのに、涙が止まらなかった。
イメージ失敗。
カウンセラー「もし悲しくなってしまうのならば、一度その思い出を横に置いておいて別のことを考えてもいいですよ。」
気を取り直して、何か他に良かった思い出はないかと探してみる。
旅行が好きなので、特に印象的だったベネチアの塔の上で見た景色を思い出した。
今まで見たことのないような、忘れられない眺め。
天気も良くて、気持ちが良かった。
カウンセラー「そのベネチアでのいい思い出と、マッサージの思い出をクリスタルボールに入れてみましょう。その中に小さなあなたも入っています。そのボールは次第に小さくなっていきます。それはあなたの胸の中にゆっくりと入っていきます。それはあなたの安心できる場所です。辛いことがあってもボールのことを思い出し、小さなあなたがボールの中から覗いているようなイメージをしてください。」
非現実的なことなのでイメージがしにくく、なんだかピンとこなかった。
正直にいうと、『こんなことで本当に効果があるの!?』と疑う気持ちがあるからだろうか。
そのような感じでイメージ療法が終了。
だがこの療法を2回試してみて良かった面もある。
いつも自分の鬱の面だけに焦点を当てて悪いことだけを考えがちだが、意識していい思い出を考えることで、『自分には楽しかった思い出や、幸せだと思えることがある。』というポジティブな面があるということを再認識した。