マネージャーを怒らせて大揉めしたものの、なんとか泣かずに残りの2週間は仕事を頑張った。
マネージャーは怒りやすい性格だが切り替えも早く、優しいところもあったので、一緒にいても雰囲気は悪くはならなかった。
いろいろあったが約3年勤務した店を辞めること、同僚と会えなくなること、住み慣れた土地を離れることは寂しかった。
無事退職したからといってまだ安心はできない。
次にしなけばいけないことは新居に荷物を運ぶことである。
引越し業者に頼むと約100万円ほどかかるので、私たちは自分たちでトラックを借りて引越しすることにした。
またあの長距離(片道20時間)を運転しないといけないと思うと気が遠くなる・・・。
途中ホテルに泊まりつつ、2日かけて新居へ物を運ぶ。
彼と物を搬入している時に、あまりの疲れにまた喧嘩をする。
原因は家具の搬入前に床を掃除するかしないかということ。
彼としては『見知らぬ人が住んでいた部屋だから、自分たちの家具を置く前に掃除しておきたい』と思ったらしい。
でも私からしたら引越しの前日まで仕事して体はクタクタだし、掃除できる元気はなかった。
彼も長時間のドライブで疲れていたのだろう、大声で怒りだし、家具を床に投げつける。
これからここで暮らそうっていうのに、なんていうスタートだろう・・・。
お互いいっぱいいっぱいだった。
私は歩くのもおぼつかなかったが、泣きながらシャワーを浴びて、片付いていない新居でとりあえず眠る。
朝になれば、彼の怒りも私の悲しみも落ち着いていた。
また2日かけて車を運転して、もとの家に帰る。
車の中では私たちはほぼ無言だった。