丸2日かけて自宅に戻ってくる頃には、私の体調と彼との関係は少し回復していたが、まだ安心はできない。
次の問題がある。
新居は片道車で17時間かかる場所にあるので、今の仕事は辞めるしかない。
新居の入居日はなんと2週間後で、彼はできるだけ早く引っ越したいと言う。
私は2週間後に仕事を辞めることを今すぐにでもマネージャーに伝えないといけない。
長くお世話になった店に迷惑はかけたくないので、本当はもっと余裕を持って退職を伝えたかった。
でも私達の不安定なビザの状況だと、早く行動に移した方がいいのはわかっているし、延ばし延ばしにしても決していい事はない。
メールで仕事を辞めることを伝えるのは急だし失礼だと思ったので、マネージャーに面と向かって伝えることにした。
マネージャーになんと言おうか、頭の中で何十回もイメトレをしながら、長旅から帰ってきたその足でマネージャーに会いに勤務先へ向かった。
話をする前から不機嫌そうなマネージャー・・・。
私が呼び出した時点で嫌な予感がしていたのだろう。
私はなるべく失礼のないように仕事を辞めたいと伝えた。
マネージャー「そんなに急に辞めるなんて困るよ!前から辞めるなら早く言ってと言ったでしょ?」
私「ごめんなさい。働かせてもらったことに感謝しています。でも私たちはこの国に永住するために早く行動を起こさないといけないんです。」
マネージャー「だからビザをあげたくなかったんだよ!ビザあげたのにも関わらず、仕事辞められると困るんだよ!」
私は働いているお店からビザをもらっていたのだが、その期限が数ヶ月残っていた。
怒りでヒートアップするマネージャーをなだめようと、彼が私の代わりに説明しようとする。
しかし、頭に血が上ったマネージャーは彼の話を何度も何度も遮り、説明さえもさせてくれなかった。
全く話しを聞き入れないマネージャーに対して、短気なところがある彼も一生懸命に怒りを抑えながら話し合おうと試みる。
カオスな状況にどうしていいかわからず泣く私。
本当は2週間で退職したかったが、お店が忙しいことも知っているし恩もあるのでマネージャーと話し合って、4週間後に退職もありだと考えていた。
それを相談もしたかったが落ち着いてうまく説明ができず、私と彼は家に帰るしかなかった。
お世話になったのは確かだし感謝しているので、こんな感じでマネージャーと話を終えたくなかった。
次の日勇気を出してマネージャーに電話することにした。
私は泣きながらではあったが言いたかったことを伝えられた。
マネージャーも怒りは落ち着いたようでちゃんと話を聞いてくれたし、私を励ましてくれた。
マネージャー「もう仕方のないことだから、いいよ。もう新人を採用するようにしたから大丈夫。仕事最後までやって、新生活頑張って。」
この電話で一応マネージャーとの関係は修復できた。
私はこの1週間で4日泣いたし、感情の波が大荒れで、頓服薬が手放せなかった。