引っ越しを機に仕事を辞めることにした。
今回も長くは続かず、約6ヶ月で退職となった。
やっと仕事が辞めれて嬉しいという気持ちと、早くに仕事を辞めて申し訳ないという気持ちが混ざり合っていた。
オフィスでは退職する社員・アルバイト・派遣社員は菓子折りを贈るというのが風習となっていた。
私が勤務している間、数名のアルバイトが辞めていったので、何度かお菓子をもらったことがある。
大抵は¥3000ほどの50枚入りの煎餅やクッキーの大箱を、共有の冷蔵庫の近くにドンと置いていった。
私は辞める1ヶ月前から、どのお菓子を買おうか考えていた。
毎日オンラインショップを見て悩む。
(私は何事にも決断に時間がかかる。)
悩んだ挙句、40枚入り煎餅の箱をオフィスのみんなに、加えて同じ部署と隣の部署に小箱に入ったクッキーセットを購入した。
他の退職者が使う金額よりも、2倍ほどの金額になっていた。
最終日、同僚にお菓子を渡すと案の定「ありがとう!でもこんなにもらっていいの?やりすぎだよー(笑)。」と言われる。
私も少しやりすぎだとは思ったが、これくらいはしなければ気が済まなかった。
なぜかというと、まともに仕事ができず、迷惑をかけてしまったという罪悪感が大きかったからだ。
感謝というよりは、申し訳なかったという償いの気持ちでいっぱいだった。
なので、何をしても足りないくらい。
次の日、晴れて自由の身になった私だが『引き継ぎうまくできてなかったんじゃないか!?』『急に仕事を辞めて迷惑をかけたんじゃないか?』などと1週間ほどずっと考えていた。