数日間、両親と連絡をとってビデオ電話で犬の様子を毎日見ていた。
ある日、いつもよりも3時間ほど早く目が覚めた。
早朝5時、何気なく携帯をチェックすると母からメッセージが。
3時間前に犬が亡くなったという連絡だった。
大きなため息が出る。
「そっか・・・。」
1−2分ほど携帯を触っていた手を止めて、状況を理解しようとしてみる。
そして両親に電話をかける。
電話がつながったのだが、声が出ない。
つらい、つらい、つらい・・・
涙が溢れてきて声にならない。
私が大学生の時に犬を飼い始め、常に一緒に生活をしていた。
大学生の頃は躁鬱の波が激しく、今よりも症状がひどかったのだが、犬を見ているだけで癒された。
何の興味も失った私が、留年・休学しながらもなんとか大学を卒業できたのも、他の家族の代わりに犬がそばに居てくれたから。
犬と毎日散歩することがリフレッシュとなって、以前よりも外出もできたし、一緒に旅行もできた。
私にとっては娘のような存在。
辛い時も楽しい時もいつも一緒だった。
ビデオ通話で亡くなった犬の顔を見るとなんとも言えない気持ちに。
赤ちゃんの時のことから、最近のことまでいろんなことがフラッシュバック。
なんで人間みたいに80年くらい生きてくれないのだろう。
14年なんて短すぎる。
犬の寿命は長くはないことは知っていたが、なかなか受け止められない。
私はこんな気持ちになることをずっと恐れていた。
毎日悲しんで、悔やんで、泣いての繰り返し。
こんな気持ちになるならば、犬を飼わなかった方がよかったのだろうか。
・・・
飼わなかった方がよかったなんて思いたくない。
今はとてつもなく辛いけれど過去を振り返れば、犬がいてくれたことで笑ったことや楽しかった思い出の方がはるかに多い。
命はいつか尽きてしまい悲しい思いはするけれど、時間が経って後になれば、犬とのいい思い出があったなと思えればいいのではないか。
泣きすぎて私の目がパンパンに腫れた。
でも悲しんでばかりはいられない。
生き物を飼うことは、いずれ死も訪れることを覚悟しなければいけない。
これは特別なことではなく、自然なこと。
大好きな愛犬、私と一緒に暮らしてくれてありがとう。
私も家族もとても幸せだったよ。