今は離れて暮らしているが、実家にいた頃は犬と一緒に暮らしていた。
犬の寿命は長くても15年程。
子供のように可愛がっている子も歳をとり、あと数年の命だと思うととても胸が痛い。
なんて短い人生なんだろう。
人間と同じくらい生きて欲しいといつも思う。
その子が最後の時を迎えることを想像すると悲しくなる。
数年前にペットロスという言葉を初めて知った。
ペットロスは、文字通り「ペットを失う事」である。これは、ペットと共に過ごす事によって培われた深い愛着・愛情が、突然に訪れるペットの「死」や行方不明などによって行き場をなくしてしまうことによって強い悲嘆に陥る。このような愛情の対象を喪失することで起きる悲嘆によって抑うつや分離症状といった心身(精神的・身体的)の症状が起きることを病理的悲嘆(pathologic grief)といい、慢性的で強い症状を経験するとペットロス症候群と呼ばれる。
ペットロス症候群とは、ペットとの別れなどというストレスが契機となって発症した精神疾患(症候群≒病気≒疾患)を言い、診断において一致している見解として、
- 6か月以上の期間を経ても強度の症状が継続する(期間)
- 自己が認識する悲しみの感情を、発症した症状による身体的苦痛が圧倒するほど激しい(症状)
- 日常生活に支障をきたしている(生活への支障)
という点が重視される
ウィキペディアより
ペットを亡くした悲しみが重症化し、心や身体に症状が出る人もいるらしい。
実際にペットの死があまりにもショックで、もう二度とペットを飼わないという人に何人も出会ったことがある。
悲しい思いをするくらいなら、いっそ動物を飼わないほうがいいのだろうか。
そんなことを漠然と考えていたら、ついに私にもその時がやってくる。
私が大学生の時、双極性障害を発症して間も無く飼い始めた小型犬。
両親も動物好きなので、犬を孫のように可愛がっていた。
そんな犬も14歳になり、足腰が弱く、視力も落ちて目が白くくすみ出していた。
ここ1、2年ほどは暑くもないのに『ハアハア』と息が上がることが増えてきた。
獣医「犬の心臓が肥大して肺を圧迫し、息をするのが苦しいんだと思います。」
と言われたので、数ヶ月前から心臓の薬を毎日与えて様子を見ていた。
そして1週間ほど前から犬の様子がおかしいと両親から私に電話があった。
倒れ込むほど息が苦しくなることが1日に数回あるらしい。
獣医に勧められて、数日前にペット用の酸素を作り出す機械をレンタルし、高濃度の酸素ルームを作った。
息が苦しくなった時にその酸素ルームに犬を入れれば、呼吸がしやすくなるというのだ。
寿命が伸びるわけではないが、それで少しでも犬が楽になればいいな。
それから毎日テレビ電話で犬の様子を見せてもらっていた。
いつも酸素ルームに入っているわけではなく、いつものようにおやつを食べている姿を見れたので、それほど緊急性のある状態だとは思っていなかった。