仕事内容は覚えることがたくさんあったが、滑り出しは良かった。
お客はそれほど来ないのでゆっくり作業ができるし、わからないことはすぐに社員に聞くことができる。
そして新入りの私にもみんなやさしく丁寧に仕事を教えてくれた。
この状況は仕事に対するモチベーションを上げた。
教わりながらも普通に(躁鬱病を隠して)働いている自分に自信がついた。
だが、それでもやっぱり鬱の波は襲ってくる。
ある日、受付には私と40代女性社員がいた。
お客が少なかったので、その女性社員1人で仕事が回るほどだった。
新米の私はすることがなかった。
私「何かできることはないですか?」
女性社員「掃除でもしたらいいんじゃないっ。」
ツンとした感じで答えた。いつもと態度が違うようだ。
この施設は結構広いのだが、どこを掃除すればいいか細かな指示は出さない。
機嫌があまり良くないことを察知し、それ以上は聞かなかった。
掃除をしながら、いつも販売している商品が売り切れていることに気づく。
私「商品がなくなったので、補充してもいいですか?」
私は何気なく質問をした。
女性社員「そんなのはAさん(50代男性社員)に聞かないとわからないのっっ!!」
急に強い口調で怒鳴った。
私「あ・・・・・・・・・・はい。」
思ってもいないことだったので、呆然とする。
なぜ女性社員が怒るのか理解できず、自分が悪いことをしてしまったのかと考えるが、思い当たらない。
私の気分が次第に落ちていく。
今日この場に私と女性社員しかいないので、なんだか息苦しい。
新米の私には指示を仰ぐために聞かなければいけないことがたくさんあるのに。
女性社員に対する苦手・恐怖意識が付いて、質問ができなくなる。
人の感情に敏感な私には地獄だ。
悪いことをした覚えがないのだが、人が怒っていると、自分に対して怒っているように感じてしまう。
しばらくして男性社員がやってたので、その商品のことを聞く。
ほっとした。
こんな空気の中、1日中女性社員と2人きりではいられない。
なにか嫌われるようなことをしただろうか・・・・・