同僚のご機嫌が悪く、空気を読みながら、怒らせないように仕事をしていた。
同僚はむっつりして、とても静かに働いている。
いつもはひょうきんだし、よく喋るのに、ギャップが大きすぎる。
『ドジをしたり、失敗しないようにしなきゃ。これ以上同僚を怒らせたくない。』とピリピリしながら私は働いていた。
失敗もなく何とか無事に営業を終えたのだが、常に気を遣っていたので、かなりストレスが溜まっていた。
帰宅後、彼にその話をしてみた。
私「同僚が最近先輩ズラして偉そうにしているんだよね。あと仕事が大好きで、情熱を持ってやっているのはすごいけど、それを私に強要してくるから嫌だ。私は好きで仕事をしているんじゃなくて、生活のために仕方なく働いてるし、全然楽しいと思えない。でも同僚にうつの事は言ってないから、何も言えないし、なんか辛い。」
彼「人それぞれ仕事に対する考え方は違うし、それは気にすることないよ。鬱のことは言わないでも、いいから聞き流せばいいじゃん。何でもネガティブに考えすぎだよ。」
私「やっぱりしんどいし、本当は仕事を辞めたいくらいだよ(でもやめられない)。」
彼「そんなに愚痴ばっかり言わないでよ。僕だって仕事でいろんな大変なことがあるし、嫌なことだってあるよ。みんな辛い時はあるよ。でも仕事をしないと生きていけないでしょ?」
彼は元気付けようと、自分の経験談などいろんな話をしてくれたのだが、私は気分が悪くなってきた。
というのは、2つ理由がある。
- 彼がこれだけ励ましてくれているのに、ポジティブになれない自分が嫌になった。
- ネガティブに考えるのは躁鬱病なんだから、しょうがないじゃん。何で彼はわかってくれないの!?
ポロポロと涙が溢れてくる。
喋れば喋るほど鬱々と気持ちが大きくなって、体がだるくなってきた。
私「今日はもう疲れちゃった。お風呂に入る元気がないよ。」
彼「そんなこと言わないで、さっさとお風呂入って早めに寝なよ。」
私「どうしても無理。」
彼「飲食店で働いてるんだから、食べ物の匂いがうつって臭いし、僕も手伝ってあげるから、お風呂入ろう。」
何度も『入る・入らない』の会話が続き、彼もイライラしたようだった。
確かに油臭いし、彼も助けてくれようとしている気持ちはわかるけど、どうしても体が動かない。
体が石のように重い。
顔を洗って、歯を磨いて、パジャマに着替えた。
これが限界だった(この状況だと、これでも自分でよくやった方だと思う)。
ベッドに倒れ込んで、すぐに眠りにつく。
『あれもこれもしなきゃいけない。私には時間がない。どうしよう。絶望的だ。』と夢の中で思い悩んで、目が覚めた。
9時間半眠ったのだが、脳は休んでいないようだ。
鬱になると、いつもできることができなくなってしまう。
お風呂に入れない。
部屋を片付けられない。
洗いものができない。
メールが読めない。
全てのことがどうでも良くなる。
そんな時、躁鬱状の家族や恋人に言いたい。
幻滅せずに、何も言わずにそっと見守っていてほしい。
しばらくしたら調子が戻って、いつものように生活できるから。