入院中、作業療法がないときはクロスワードにをしていた。雑誌を買って、問題が解けたらハガキで懸賞の応募をする。それも途中で飽きてしまう。
携帯で友達と連絡は取りたくなかったし、当時ガラケーを使っていたので動画コンテンツは充実しておらず、携帯いじりも長くは続かない。
談話室にテレビはあるが一台しかないので、先約がいると自由に好きなチャンネルに変えられない。
談話室に本も置いてあった。今は読書が好きで楽しめるのだが、当時は本が読めなかった。文字が頭に入ってこないし、集中力がかけて全然読み進められない。
そこで、用もないのに毎日17歳の子の部屋に遊びに行った。
まずはその子の朝の様子を伺う。ベッドにはそれぞれカーテンがついていて、寝るときや着替えをするときはカーテンを閉める。
調子がいいとカーテンが開いていて、一緒に談話室へ移っておしゃべりをする。ダメな日はカーテンが閉まっているのでそっと寝かせておく。
そのこは入院歴が長かったし、これが2回目の入院だったと思う。なので知り合いがたくさんいる。その子が何人か友達を紹介してくれた。
- 20代 真面目そうな女の子
- 20代 お茶目な可愛らしい女の子
- 20代 看護学生の女の子
- 20代 学生の男の子
- 20代 優しくてぽっちゃり体型の男の子
- 10代 やんちゃで変わった男の子
鬱、統合失調症、パニック障害など様々病気を抱えているが、みんな歳も近く話しやすかった。カードゲームをしたり、ふざけ合ったり、普通の何気ない会話もするが、病状についてもよく話した。
「昨日寝れなくて、夜中看護師さんと話してた。」
「一日中しんどかった。」
「薬が合わなくて、体が動かなかった。」
みんなが躁鬱病ではなかったけれど、似たようなことで悩んでいることが多々あった。
みんなもがいて苦しんで病気と闘っている。
精神病ではない友達にこんな話をいくらしても共感してもらえない。家族にグチをこぼすこともあるが、あまり言っても無駄なので言わないようにしている。だって、苦しみを理解してもらえないから。
病院の友達の気持ちがよくわかるし、自分の話を聞いてもらいることで気持ちがスッキリする。
病状を共有する仲間がいることで、辛い状況にいるのは自分1人ではないことに気が付き、なんだかホッとした。