待ちに待った、1ヶ月間のオーストラリア留学。私は期待に胸を膨らませながら日本を発った。
一緒に留学する友達はいなかったが、オーストラリアの空港で同じ留学会社からの留学生と出会った。私のような1ヶ月の滞在は短い方で、長い人だと1・2年滞在する人もいた。
留学会社の現地スタッフのオーストラリア人が迎えに来てくれて、それぞれのホームステイ先に降ろしてくれる。その人の話していることは全くわからなかったが、質問しても理解できる自信がないので黙っていた。この場で出会った十数名の留学生の動きを見て行動した。
ホームステー先にはオーストラリア人カップルと、韓国からの留学生が住んでいた。
挨拶をするが、やっぱり彼らの話していることがよくはわからない。
二階の一室を与えられた。白色に統一された家具、セビダブルのベッドがある。バスルームも案内され、広々とした場所にシャワー、トイレ、浴槽がかなり距離を置いて並んでいる。
田舎にある私の実家は昔ながらの日本の家で、畳、ふすま、塗り壁があるのが普通であった。
「この違い!これこそ海外に来たって感じ!」
オーストラリアの一般的な一軒家ではあったが、私には別世界の綺麗で新しいおしゃれな家であった。
医者からもらった薬もちゃんと飲み続けていた。
オーストラリア到着の2週間くらいは全てが新しく、何事にも興味津々で、わくわくする日々であった。